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Rocky's eye No23 「ニップンが見たラオスの松茸」

高価でなかなか口には入りづらい松茸ですが、世界最大の松茸の輸出国はなんと中国です。レストランで料理として提供されれば1kg10万円もする松茸ですが、近年国内の生産量は激減。今では韓国や北朝鮮産以外にも、カナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州やトルコからも、1000トンから1300トンの生の松茸が成田空港に送られてきます。

松茸業界に従事する人でもラオスで松茸が摂れることは知りませんが、実は、ラオスの北東にあるベトナムの国境から近いサムヌア(フアパン県の県都)では松茸1kgが500円で取引されています。幸か不幸か、ラオス人は松茸が日本で高価で売れることを知らず一部が精力剤として市場で売られている程度です。

タイの国境の町ウドンタニから車でメコン川を渡り1時間もあれば首都のビエンチャンに到着します。ビエンチャンから車でサムヌアまで約30時間。サムヌアはまでは首都ビエンチャンから飛行機で45分で行けていまたが、数年前にラオエア(ラオス国営航空)の旅客機が着陸に失敗してそれ以来サムヌアの飛行場は閉鎖されたままになっています。

1kg500円の松茸が日本の市場で約2万円~6万円で売れることを考えれば簡単に儲かりそうなものですが、現実はなかなか一筋縄では行けません。どの国でもそうですが、最大の問題は、その日の内に摂れた松茸を集めること。冷蔵状態のままで3日以内に日本の市場に届けるかというロジスティックの構築。そして、松茸が虫食い(松茸の中が黒くなる病気)に犯されないように生殖地を整備することです。

更に、ラオスの北東部部の山には未だに地雷が埋まっているために、山に入り松茸を摂る仕事は命けです。実際、この地域で希に見るが外人は日本人で、元自衛隊の爆弾処理班の方。この方は自衛隊定年後の国連から委託を受け、現地で爆弾処理の技術を教えているそうです。それ以外の日本人は勿論のこと、外国人を見たことがありません。また、ラオスの真上に位置する中国の雲南省の松茸は、日本でも有名で多くのブローカーが中国全土から買い付けに訪れますが、地雷が怖いのかラオスに松茸を買い付けに来る中国人は皆無です。

松茸は、採取する現地から冷蔵状態で日本の市場まで運ぶ。ただそれを行えばいいのです。しかし、冷蔵・冷凍自動車を見ることがあまりないラオスでは、先ずタイで冷蔵車を購入してラオスに持ち込まなければなりません(15日間に一度タイに車を出国さねばならない)。村ごとにリーダーを決めて松茸を集めさせ、事前にサムヌアとシェンクワンなど数ヶ所の村に冷蔵庫を設置して、冷蔵車で冷蔵庫の松茸を集めながら首都ビエンチャンの空港に向かいます。サムヌアから首都ビエンチャンまでは車で30時間、ビエンチャンの空港でドライアイスを詰め、バンコク(タイ)のスワナプーム空港でもドライアイスを再度詰め替えて日本に輸出するのです。冷凍・冷蔵の宅急便網が整備されている日本では考えられないことです。しかし、地雷を避けながら、そして、交通網も発達していない前近代的文明の村々を相手にするからこそ、松茸を無尽蔵に、且つ、断然安価な価格で買うことができます。

ラオスはアジアで唯一海に面していない国です。社会主義なので北朝鮮の大使館もあり、殆どの留学先がモスクワの為(ベトナム同様)に、高級官僚ロシア語を操りウオッカを好みます。また、銀行の口座開設は勿論のこと、海外への送金や海外からの入金に関しても規制がなくあまりにも簡単なために驚いてしまうほどです。更に、ラオスで行われている農業の殆どが完全無農薬栽培です。豚、鶏、山羊は放し飼いで飼われていますが、餌は家畜が近所を自由に動き回り無農薬の餌を勝手に食べるので完全オーガニックの家畜が育つのです。

ラオスの田舎は、文明が異なると言わざるを得ないほど遅れていますが、そこである女性と話す機会がありました。彼女は、「日本人を見るのは初めてだ。この道は前の戦争の時に日本人(ニップン)が作ってくれたとお母さんから聞いた。だから感謝している」と私の手を握りしめながら何度も飛び跳ねていました。

私は日本でも松茸を口にすることはめったにありまん。しかし、松茸を見るたびに、青々としたメコン川の流れ、ラオスの山々の緑、そして山奥に住んでいる村人たちの生活を思い出します。

 

拝 Rocky Tamotsu

 




 



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