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Rocky's eye No20 「ブルーエコノミー イン インドネシア」

日本の水産業界が、インドネシアからの研修生がいなければ成り立たないことはあまり知られていません。 インドネシア人研修生や船員は日本以外にも、韓国、台湾の船にも送り出させるなど、アジアの水産業の屋台骨を支えています。

PS 日本の海の研修生の95%はインドネシア人。陸(農業)の95%の研修生は中国人。

インドネシアは18000以上の島が集まって国を形成しています。人口は2億4000万人で世界第4位。 陸地の面積は世界第15位で海外線の距離はは95181km、カナダ、ノルウェーに次ぐ世界第3位。 排他的経済水域は542万㎡でアメリカ、オーストラリアに次ぐ世界第3位という広い海を抱えています。

2000年から2009年までのインドネシアの年間の平均漁獲高は7%/年づつ増加しています。 タイが0.4%、フィリピンが6.5%、ベトナムが10%ですからかなり健闘しています。 また、2011のインドネシアの漁獲高は12.3百万トンでしたが、2015年の目標は27.4百万トンが目標で世界一の座を狙うなど、水産業は拡大の一途を辿っています。

一方、港に行けば壊れたりボロボロの船が係留されていたり、どこの川や浅瀬でも放置されている船を発見することは難しいことではありません。 この国には790万人の漁民がいますが、そのほとんどが貧困に喘いでいるのが実情です。 漁船の99%が積載重量30トン以下の小型船舶で、維持費の70%が燃料代に消えていきます。 それに追い討ちをかけるような前近代的な道具や、気まぐれな天候は、同国の92%の小規模漁師の生活に追い討ちをかけます。 果して、海洋大国インドネシアは、前近代的な漁業から脱皮することができるのでしょうか。

世界的に魚の需要が高まってい中、日本各地の魚市場にはインドネシアから毎日キハダ・メバチマグロが空輸されています。 また、インドネシアのカツオは鰹節の原料に適していることでも有名ですが、枕材や焼津では鰹節の原料となるカツオがは毎年大幅に不足しています。 タイの大手缶詰工場の相場に負けており、世界中のカツオが枕崎や焼津を飛び越えて缶詰の原料としてタイに集まっているのです。 しかし、枕崎市漁業組合や焼津漁業組合が、仕入れを商社に丸投げするのではなく、 ビトン、クパン、ララトカ、マウメレ、アンボンなどに自前の冷凍施設を持つか、或いは、地元の冷凍庫と業務提携をして日本人社員をを現地に配置すれば、 日本の伝統的な三大調味料のひとつである鰹節の原料は。これからも安価で安定的に確保できるでしょう。 更に、日本では殆ど見ることのないテビヤマ式の鰹節も、人件費の安価なインドネシアなら簡単に作れます。

インドネシアでは縞タコと呼ばれる種類のタコが捕れます。近年アフリカ産が不気味で大きなチャンスでしたが、 漁師はタコに意図的に水を吸収させ重量を10%ー20%増量させる習慣があるために、日本のマーケットでは評価が低いのが現状です。 しかし、インドネシアで、塩もみ、ボイル、カットまでして、「タコ焼き用」のカットタコとし、 現在末端販売価格で1100円/kg~1300円/kgで販売されているアフリカ産に対して、 インドネシア産が700円/kg前後で販売できれば日本国内のたこ焼き用カットタコの勢力図は一変するでしょう。

中国で、「マグロの頭」料理が空前のブームです。ブームは当分の間続くと思われますが、このマグロの頭の原料の供給が全く追いついていません。 そもそも日本にはマグロは世界一の量が輸入されていますが、マグロの頭のみの輸入は昨年まで前例がなく、 昨年初めてマグロの頭だけ日本に輸入された際は、当初関係省庁は対応できなかったほどです。 このような大きなビジネスチャンスのことを日本企業は勿論のこと、インドネシアのマグロの工場や漁民は知らず、 今までのよ うに薄利のマグロの本体(胴体)をせっせと売り続けています。 タダ同然のマグロの頭を出荷することができればグリコの”おまけ”のように1粒で2度美味しい商売になることは間違いありません。

日本では高級品として人気を誇るスッポン料理ですが、インドネシア人はスッポンを食べる習慣がありません。 スッポンは日本では冬眠しますが、インドネシアでは年中暖かいので年中活動しているので、成長速度が早く、且つ、肉質もかえって日本産よりも良くなるのです。 スマトラ島の小さな村だけでも毎月5トンから10トンの水揚げがあり、キロ当たり500円で買い付けができるなど、 スマトラ島の小さな数ケ所の村からスッポンをまとめ買いするだけで、日本の年間生産量を上回ってしまいます。 安価な人件費、原料、施設費用が殆どタダ同然であることを鑑みれば、 その昔、高級料理であったトラフグを中国で養殖し、「玄品」ブランドで日本中にトラフグの激安チェーンを作った株式会社関門海のように、 これまで無理と思われていた激安スッポン料理のチェーン展開も夢ではないでしょう。

ウナギは、近年国内ではシラスが獲れず、昨年は1kgあたり250万円/kg前後の高値がついていますが、 同時期インドネシアのシラスは3万円/kgで、日本に航空便で運んでも1kg6万円以下で運べます。 親魚のインドネシア産のウナギ・ビカラビカラ類は若干日本産のジャポニカ種と比較して小さいですが、蒲焼にすればほとんどの日本人には区別がつかないでしょう。

今なお人食い人種がいると言われているインドネシアの最果ての地イリアン州をはじめ、都市部から離れた離島は魚介類の宝庫です。 発展途上国では、高価な魚介類は近代文明から遠くなればなるほど安価で大量に捕獲することができます。 しかし、この国の殆どの船には冷凍設備がありません。即ち、魚を獲ってすぐ冷凍をする「船凍品」が作れないのです。 陸に揚げてもまともな冷凍庫がないのが現状ですが、仮に冷凍庫があっても、元々インドネシア人の品質(鮮度)に対する感覚が日本人のそれとあまりにも掛け離れいるために、 船から冷凍庫に移動する間に鮮度が落ちてしまいます。また、インドネシアの僻地の大半には冷凍コンテナ船がきません。 きても週に1便、場所によっては月に2回しか立ち寄らず、船が港に船が着岸しても荷物が既に満載の場合は荷物を積み込めないことが多々あります。 インドネシアの船、設備、漁具も日本では考えられない程ど前近代的なものがほとんどなので、 日本から古くなったり、余ったり船をインドネシアに持ってくることを考えてもよさそうなものですが、日本の船を海外に輸出することは法律で禁じられており、 一旦、設備を外して、漁船ではない資格で輸出し、現地で設備を再度取り付けるなど、提出書類もややこしいために、莫大な費用と期間が必要になります。

日本には水産庁管轄の漁港が3000弱あります。このうち2000以上の漁港は、漁獲高よりも漁港修理費用の方が高いのが実情です。 また、魚も輸入が急増していますが、輸入される魚は国土交通省の管轄の港湾に「貨物」として水揚げさており、漁港を使用していません。 漁民は、農民同様国に甘やかされてきましたが、赤潮が発生しても、別な形で養殖場の魚が大量に斃死しても、被害が大きくなればなるほど、 保証や補助金という形で手厚く守られてきました。

日本の一次産業従事者はTPPの日本の参加を強烈に拒んでいます。それは自分たちが作ったり、 獲ったりする商品が世界的に見て競争力がないことを自覚しているからにほかなりません。 しかし、本当に競争力がないのでしょうか? 日本の漁法、養殖技術や加工技術は世界でもトップレベルです。 特に、養殖は、種苗、餌の調達、生簀の給仕方法、病気への対応力、出荷までの短時間化がワンセットですが、 どれをとっても日本のそれは世界でナンバーワンです。政府は、日本人がインドネシアの海を自分の庭のごとく使いこなすことができるか否かが、 21世紀の日本のタンパク源の供給を大きく左右すことになることを肝に命じなければなりません。

日本の水産技術、モノ、ヒト、そして、養殖業者が積極的にインドネシアに進出することを国がバックアップことが、 日本の次世代の水産に携わる後継者の育成につながるばかりか、それが日本人の胃袋にとって、 そしてインドネシアの漁業の近代化にとっても最良の選択であることは言うまでもありません。

 

拝 Rocky Tamotsu

 




 



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