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Rocky's eye No1 「日本人の胃袋」

日本と海外の食品の小売価格の比較は、米はアメリカとシンガポールの4倍。牛肉はオーストラリアの5倍等、日本人は世界中で一番高い農産物、水産物、肉を食べ続けています。学者や農水省の役人は、国土が狭いために効率化できないことを価格が高い主な理由とて挙げます。一方、人口450万人を有するシンガポール。面積が淡路島とほぼ同じこの国には農民がいないにも拘わらず、国民は世界中で一番美味しい物を、一番安く購入しています。

1995年から始まるまった農業基盤整備事業費と言う名目で補助金が75兆円投資されています。75兆円と言えば、全てのオーストラリアの農地、アメリカの60%の農地が買える金額です。アメリカの80分の1しかない日本の農地面積には、アメリカと同数の農業人口が従事していますが、農地100ヘクタール当たりの農業人口はアメリカの70倍。オーストラリアの480倍です。天孫降臨自体が国の稲作の始まりであり、稲作信仰の中心で
ある伊勢神宮や新穀を天照大御神に奉る皇室の大祭神嘗祭(かんなめさい)等、日本人の”米”への思いは、他の農作物に比べて特別なものがあります。政治家や役人は、日本人の”米”に対する思いを逆手に取り、農業ゼネコンに巨額の補助金をつぎ込む事に成功しましたが、この国が巨額の農業補助の代わりに得た競争力とは一体何だったのでしょう。オーストラリアの農民が1人で行う作業を、日本では50人で行っています。オーストラリア産コシヒカリの値段は日本の10分の1以下ですが、これを直接日本へ輸入されれば、日本の農民がひとたまりもないということで、国は農協と結託してオーストラリア産はじめ、海外から米が安く日本に輸入できないように高い関税障壁を設けています。更に、日本人の殆どの方が、「外国産は、味も農薬も心配だ」と信じているようですが、昨年オーストラリア産コシヒカリ、中国産の米と日本産の米を、日本の大手外食チェーンの複数の支店長の方々を対象に味の違いをブラインドテストしましたが、味の違いを見分けることのできた方は皆無でした(90%が中国産の米がお一番。二番目にオーストラリア産が美味しいと回答)。

日本には、食材は国内産であれは安心という、国産神話がありますが、果して、魚、鶏、豚、牛等のエサはどうなっているのでしょう。例えば、殆どの養殖カンパチや養殖マグロは国産としてスーパー等の量販店で販売されていますが、これらの養殖魚のエサの大半が外国産から輸入されています。また、養鶏にしても然り、極端な飼育方法を選択しない限りエサは全て外国産。要するに、エサが外国産でも、飼育されている場所が国内であれば、堂々と国内産としてまかり通ります。

国内で養殖されているカンパチの稚魚は100パーセント近くが中国の海南島付近で捕獲されています。ある一定大きさになるまで中国で育成されているものを活魚として日本に輸入し、これが中間魚として日本の海で出荷前まで飼育されますが、店頭で販売される際には、これらの商品には堂々と日本産のシールが張られています。カンパチに限らず、これ以外の多くの養殖魚も同様です。産地偽造まではないものの、途中まで中国で飼育されていても、
最終飼育段階を日本の海域で飼育されれば国内産として流通するのです。

国内で養殖されている大型魚のエサは、人間が食べても大丈夫なくらい鮮度が良いイカナゴ等のエサが使用されています。勿論、養殖業者は、少しでも新鮮な餌を与えることにより、歩留まりや成長のリスクを最小限にしようと試みているからにほかなりません。反対に、これらの養殖魚には、人間仕様に近いビタミン剤や薬が大量に使用されるのは日常飯事で、これは日本全国どこの養殖場でも見れる風景です。

今後は、魚以外の野菜や肉も、中国以外の、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーで収穫され日本に輸入されるようになります。現在は日本の歪な関税障壁により目立ちませんが、その量は年を追うごとに増えるでしょう。更に、味噌・醤油の国内の売上が右肩下がりであることを鑑みれば(既に、キッコーマンの醤油の売り上げは国内より海外の比率が大きい)、日本の家庭では、材料を調理するから、出来合いに商品を、「温める」、「切る・並べる」、が家庭の味の主流となってきています。現に日本の銚子、焼津港よりも、成田空港と呼ばれる”港”の方が、輸入額金額ベースで日本で一番大きいことを鑑みれば、日本人の食卓がどこに向かっているかは一目瞭然です。

今後、国内の殆どの第一次産業従事者にとって、日本で事業を継続している限り何も良いことはないのかもしれません。しかし、海外では第一次産業が”儲かる産業”であることを鑑みれば、農林水産省や農協は、農民を守ることから、国民の胃袋を守る方向に、意識を180度転換する必要があります。インドネシアのバンドゥン。首都ジャカルタから車で東に4時間の場所にあるインドネシア最大の野菜の産地です。例えば、ニンジン。ここでは日本だ
と1人で行う作業を30人ほどで行っています。このように、機械化も進んでいない、肥料の使用方法も十分に認識していないこの国の農民に、日本人は正しい農法を指導できます。漁業にしても日本の技術はインドネシア人のそれより何十年も進化しているのです。日本の第一次産業従事者の活躍の舞台、そして儲ける場所が、日本からアジア全土に移ろうとする時代を迎えようとしています。




 



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